あまり行く気がなかったのですが、
友人が良かったというので「鏑木清方」展を観てきました。 初めて観る二枚折の屏風、《道成寺(山づくし)鷺娘》の恐ろしいほどの美しさには圧倒されました。 日本経済新聞の記事には、「築地明石町」(上の画像)について "「清新な異国情緒」の町にふさわしい知的でモダンな雰囲気の女性だ。(中略)しかしよく目を凝らすと、夜会巻きの髪がわずかにほつれ、足元の朝顔の葉が萎れかけていることに気づく。(中略)関東大震災で東京の町は焼け野原となり、やがて時代は昭和に代わる。遠のく明治の愛惜が清方にこの絵を書かせたのである。画家の知る町の景色が消えつつあったことは、かすむ景色にも感じられる”と書いてありました。 会場内で聞いたラジオのインタビューで、清方は戦時中空襲警報が聞こえると、かえって絵筆を取って美人を描いていた、自分なりの抵抗だったのかもしれない、と話していました。 清方の大事にしていた美しい町や人々の営みが失われることへの深い悲しみや怒りが、どこまでも美しい絵の奥に潜んでいたのか、と知る展覧会でした。 美術展ナビhttps://artexhibition.jp/topics/news/20211210-AEJ597762/ 新着通信を更新しました。新着通信をご希望の方はGALLERYのページをご覧ください。 コメントの受け付けは終了しました。
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